私の放射線専門医とは一年前の全摘手術後にも会っています。
全摘の場合は放射線治療をしない場合が多いようですが、私の場合は腫瘍の位置が胸壁に近かったのでコンサルテーションを受けました。
年齢、腫瘍のタイプ、様々な検査スケールなどの結果から総合的に判断してこの時は放射線治療不要との結論に至りました。
そして、今回の術後にも再度このドクターの診断を受けることになったのですが、診察室に入って開口一番に
「申し訳ない気持ちです」
と言われました。私は思わず「えっ?どうしてですか?」と聞いてしまいました。
アメリカでは医師がこのような発言をすることは極めて稀です。前回、色々な要素から判断して教科書的には放射線治療は不要と判断したが、再発してしまい申し訳ないということのようでした。
もし前回治療を受けていたら今回の再発はなかったと思いますか?と続けて聞いてしまいましたが、それはなんとも言えないとのことでした。
こういった判断は確立の問題なので推測ゲームになってしまうのは仕方がないです。
たまたま私の場合はそのゲームの第一ラウンドで負けてしまったわけですが、自分の中では実はこれはラッキーだったのではないかと思っています。
もしこの早いタイミングで再発が見つかっていなければ最初に処方された薬(タモキシフェン)が効いていないまま飲み続け、数年後に別の箇所に再発していたかもしれません。
一人一人の患者に真摯に向き合ってくれているこのドクターに感謝です。