乳房再建しなかった

昨年の全摘手術前に乳房再建についてのコンサルテーションを受けました。

 

術後に放射線治療がある場合は、皮膚がダメージを受けて裂けたりするためエキスパンダーを使う方法での同時再建はできないと言われました。

また、私の場合は皮膚が薄いので下腹部の皮膚を移植する方法となると言われました。

この方法の場合、血管を繋げて血流を維持できるので再建後の皮膚に温かみがあります。(シリコンを入れる場合は皮膚下に血流がないので触った時に少し冷たい感じがするそうです。)ただ、腹部の回復には6か月掛かるということでした。

 

ドクター曰く、再建を選択する人の割合は約半数、再建後の満足度は高い人が多いそうです。

 

この時点で、癌、手術と頭の中が既にいっぱいになっていて、再建のことまで思考が至らなかったというのが正直なところです。

ただ、体の健康な部分にメスを入れるのは嫌だなとと思ったのと、手術が増えることでまた回復が先延ばしになるのも気が進みませんでした。

胸が大きいわけではないですし、術後に放射線治療が必要になるか分からなかったので、同時再建はしないことにしました。

 

結論から言うと、私は再建しなくて良かったです。

術後に胸がないことにショックを受けるかなと思いましたが、意外にも平気でした。もう片方ありますし、ボランティア団体の方が編んでくれた乳房形のニット地の詰め物が軽くて柔らかく、綺麗に胸の形を維持してくれます。

 

また、再発発見の経験から考えると、私の場合は腫瘍の発生箇所が胸壁に近い傾向があるので、胸に厚みがあったら発見が遅れていた可能性があります。

おそらく今後も再建はしないだろうなという感じです。

 

他の方の経験談では、胸が大きい方は喪失感があったり、片方だけないと左右のバランスが崩れてしまい辛かったりしたので再建したという話もありました。

なので、どちらを選択するにしても正解はないと思います。

 

同じ病気でも治療もその後の経過も本当に人それぞれ違うのが乳癌だなと改めて感じました。